空飛ぶ映画レビュー

主に新作映画の感想を綴ります。

映画『喜劇 愛妻物語』の感想 終始苦笑いだったけど水川あさみはいい女

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引用:http://kigeki-aisai.jp/ 

映画『喜劇 愛妻物語』公式WEBサイトより

映画『喜劇 愛妻物語』の感想

こんにちは。空飛ぶ人です。
濱田岳も水川あさみも好きだし、『百円の恋』の足立監督作品だしと、期待して観に行ってきました。ただ、午前中に『TENET』を鑑賞した直後のはしご映画だったので集中力は間違いなく切らしており、そのあたりが「おすすめ度」に影響しているかもしれません。

観終わった直後に感じたのは「この映画を観るには自分はお子様すぎたな」ってこと。
決してつまんない映画ではないんですが、僕にはもう破綻夫婦に見えて、観るのがしんどかったです。

 

監督:足立 紳

公開日:2020年9月11日

鑑賞日:2020年9月21日

おすすめ度:★★★★(4/10)

 

<あらすじ>

結婚して10年。いまだにうだつの上がらない脚本家の豪太と、トキメキを失って久しい妻のチカが、幼い娘と三人で旅に出た。四国を舞台にしたシナリオを書くための五日間の取材旅行。しかし豪太にはもうひとつの重大ミッションがあった。旅の間になんとしても、「セックスレスの妻とセックスする」という悲願を達成するのだ!

映画『喜劇 愛妻物語』公式サイト|9月11日(金)全国ロードショー

 


映画『喜劇 愛妻物語』 本編映像 ~”超恐妻”水川あさみ演じるチカの怒りの叫び!

<感想>

入場制限解除後の新宿ピカデリーで鑑賞しました。
小さめのスクリーンでしたがほぼ満員。(正直意外)カップル客が多く、10代くらいのカップルから、杖をつくベテランカップルまで。割と年配の方が多かったですね。終始、笑い声の絶えない劇場でしたが、正直僕はゴリゴリの下ネタの1カ所しか笑えませんでした。思い返すと、劇中そこが唯一夫婦仲睦まじいほっこりするシーンだったな。

ざっくりいうとこの映画は、売れない脚本家のダメ夫 豪太と、恐妻のチカが、豪太の脚本の取材のため、娘を連れて3人で香川県に旅行に出かけるお話です。3か月チカとのセックスが無い豪太。この旅行をチャンスだとセックスに持ち込もうとするのですが、チカからは拒絶され続けます。ほぼ劇中2時間チカが豪太に「キモイ、死ね」と罵声を浴びせ続けるのですが、ちょっとそこが僕的にはキツ過ぎました・・・。

チカは、結婚する前は脚本家での成功を夢見る豪太に献身的に尽くす女性だったのですが、いつまでたっても結果を出さず、日銭も稼がない豪太のせいで、「恐妻」にならざるを得なかった女性です。人前でも気にせず夫に罵倒を浴びせます。
ただ、新婚のころに豪太の脚本が評価されるためのゲン担ぎとして履き始めた赤いパンツはボロボロになった今も履き続けており、夫の仕事での成功を祈っている(信じてはいない)のは間違いありません。

一方豪太は、脚本家として成功したいという思いはありながら、いまいち必至さが感じられないほぼヒモ夫です。チカとゲン担ぎのために履き始めた赤パンツも豪太は今は履いていません。
それでも一丁前に性欲はあるので、チカとのセックスを目論むのですが、どうしても「チカと」セックスがしたいわけではなく、本当は風俗でもOKだし、なんなら不倫でもいい(実際不倫してるし)のですが、お金が無いので仕方なくただでヤれるチカを狙っているわけです。

この夫婦をかろうじてつないでいるのが、この豪太のケチな性欲なんですよね。チカは豪太の夢の成功を祈りながらも、困窮した結婚生活が永遠に続くのかと嫌気がさしていて、もういっそ本当に豪太が死んでくれたらと思っていたと思います。

この夫婦間の赤裸々なコミュニケーションを、「おほほほ。なんだかんだ仲いいんだから。」と、楽しんだらいいのでしょうが、正直僕は自分の生活的にも精神的にもそんな余裕がなかったです。

かろうじて、ダメ夫を演じる濱田岳のかわいらしさや、チカを演じる水川あさみ自身の豪快で明るいキャラクターが、「本当は仲いいし、いい奴らなんだよな」と思わせてくれるので救いになっているんですけど、そこを取り除いたら僕にはもう破綻しちゃってる夫婦にしか見えなかったのですが、これが「夫婦」のあるあるなんですかね。

 

チカ側の心情は判りやすく描かれているのですが、豪太のチカへの愛情って言うのが一切見えてこなくて、そこがモヤモヤとしてしまいました。唯一、豪太が妻に「愛してる」っていうシーンがあるのですが、あれも「言わされている」ようにしか見えませんでした。あそこでやっと”覚悟を決めた”ということだったんでしょうか

もう少し1年とかのスパンの物語でみせてくれたら、二人の関係がもっと理解できたかもしれないですね。

 

上映後、若いカップルは苦笑いして帰っていましたが、熟年夫婦や年配の方たちは凄く満足そうにされていたんですよね。それを見ると、まだまだ僕がお子ちゃまだったのかなとも思いました。

飛び交い続ける罵声に若干辟易として僕は上手く楽しめませんでしたが、男のダメダメな部分への水川あさみのツッコミ、微笑ましいお下ネタ、予想外にエロいオアシズ大久保さん、いつもの ふせえりと、見ごたえ・笑いごたえはありますので、気になる方はぜひ劇場で。

 

しかし、あれだけ暴言吐いて放屁までして、それでも「水川あさみっていい女だな」と思わせる水川あさみの魅力ってスゲーな。

kigeki-aisai.jp

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