空飛ぶ映画レビュー

主に新作映画の感想を綴ります。

『コンフィデンスマンJP プリンセス編』の感想 嫌われない女『長澤まさみ』

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*引用:confidenceman-movie.com 映画公式WEBサイトより

『コンフィデンスマンJP プリンセス編』の感想 ネタバレほぼ無し

嫌われない女、長澤まさみ。能ある鷹は爪を隠す。

多少中だるみや、先が読めてしまう部分はあるものの、どこまでも清々しい、エンターテイメント大作だった。

 

監督:田中亮

脚本:古沢良太

公開日:2020年7月23日

鑑賞日:2020年7月23日

おすすめ度:★★★★★★(6/10)

 

<あらすじ>

世界有数の大富豪フウ家の当主レイモンド・フウが亡くなった。
遺産を巡り火花を散らしていたブリジット、クリストファー、アンドリューの3姉弟の前で執事トニーが発表した相続人は、誰もその存在を知らない隠し子“ミシェル・フウ”だった。
ミシェル捜しが続く中、10兆円とも言われる遺産を狙い、我こそはミシェルと世界中から詐欺師たちが“伝説の島”ランカウイ島に大集合!
そして、ダー子、ボクちゃん、リチャードの3人も、フウ家に入り込み、華麗に超絶大胆にコンゲームを仕掛け始める…
はずが、百戦錬磨のコンフィデンスマン・ダー子たちに訪れる最大の危機!
誰がフウ家の当主の座を射止めるのか!?世界を巻き込む史上最大の騙し合いが始まる!!

https://confidenceman-movie.com/ 


『コンフィデンスマンJP プリンセス編』予告【7月23日(木・祝)公開】

 

<感想>

ドラマ版と、前作の劇場版は事前に鑑賞したうえでの感想です。

「騙された!!」という裏切りの気持ちよさが本シリーズの特徴だけど、テレビドラマシリーズ、劇場版第1作と本シリーズを見続けてきた観客からしてみると、「どうせ私たちも騙されている。どうせ長澤まさみは死なない。最終的にどんでん返しで江口洋介が長澤まさみの罠にはまる。」という目で映画を見始める。1話完結のシリーズもの故のマンネリがおそらく制作陣の課題だったのだろう。思いっきり人情ものに振り切った本作は、見ている側の予想をうまく裏切っていたと思う。

これまでも、思わずほろっとしてしまうようなエピソードはあったけど、そのほとんどは長澤まさみが”魚”を釣る上(詐欺のための)での「嘘」であった。しかし今回は、不遇な女の子を無報酬を承知のうえで嘘を使ってプリンセスに仕立て上げるストーリー。そこのところがこれまでとは全く異なる。

 

「うわ!騙された!」という爽快感は、はっきり言って前作の方があった。

しかし本作も、観ていて根底にある突っ込みどころ、引っかかる部分が、最後の最後にすっきりと解消されて、それがむちゃくちゃ気持ちよかった。コンフィデンスマンのいいところはしっかりとある。

 

おそらく、観ている人間の80%が、広瀬姉妹と見間違えたであろう、ヒロイン「コックリ」を演じる関水渚、キャラクターの性質もあって、演技がうまいとは思えなかったが、物語を納得させる初々しさがよかった。

一方で、ばばぁ役が板についてきた竹内結子、広末涼子の厚かましい「女優」感が、詐欺師役とうまくマッチしている。

そのばばぁ女優に片足を突っ込みだした長澤まさみ。ロボコン、世界の中心で愛を叫ぶ以降、第一線で活躍し続けているが、嫌われない理由って何だろうと考えたが、多分「上手く」見えない部分なのだろうなと思う。キャリアだけ見たら、大女優なのだけれど、たぶん「演技がすごいと思う女優」というアンケートを取ってランキングしても10位以内に入ってこないだろう。大女優でありながら、常にCM等で露出してどちらかというと親しみやすいテレビタレント感を印象として持たせているのは、女優としてはイメージが役の邪魔をするのでデメリットのように思えるけれど、長く続けるための計算なのだろうな。

今後のおばさん女優としての長澤まさみの活躍が非常に楽しみ。

 

柴田恭兵、ビビアンスーらゲスト人も豪華で、観ていて楽しかった。

 

このご時世、2時間ちょっと現実を忘れて気分転換にお勧めの1作だった。

 

confidenceman-movie.com

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